「みはじ(はじき)・くもわ」論争

深谷に根差して33年の学習塾

 

一橋ケンアイゼミナールです!

 

今日のテーマは

 

「みはじ(はじき)・くもわ」について…

 

皆さんはこの言葉をご存知でしょうか。

 

小学5年で習う

 

「道のり(きょり)」

 

「速さ」

 

「時間」

 

それから

 

「比べられる量」

 

「もとにする量」

 

「割合」

 

これらを丸いドラえもんの鈴のような図に

 

書き込んで、公式を暗記しやすくし、

 

問題を解きやすくする方法。

 

ドラえもんの鈴を描くとあら不思議!!

 

難しかった速さや割合の問題が解ける!

 

 

こんな便利な道具なら、子供たちに

 

どんどん教えてあげたら良いんじゃないの?

 

と考える人がいる一方で

 

こんな便利な道具を教えるから、

 

思考力が身につかない子供になってしまう

 

そう考える人たちもいて、

 

論争の的となるわけです。

 

難しい問題ですね。

 

では私はどう考えるか。

 

私自身はどちらかと言えば、

 

公式暗記は必要なことだと考えますし、

 

その手段として、図が役に立つなら

 

それはそれで良いと考えます。

 

ただ図を使うことによって

 

暗記することが増え、

 

負担が増えるなら教えない方が良い

 

 

というのが実際のところです。

 

確かに子供の思考力には差があります。

 

しかし「それは暗記が原因なのか」というと

 

私は違うと思っています。

 

思考力がある生徒は、

 

便利な道具を暗記して問題を解きながら

 

初見の問題では思考力を発揮しています。

 

ただ何でも暗記が良いとは思いません。

 

例えば図形関係の問題は、

 

小学生のうちはなるべく公式暗記ではなく

 

図をみながら、なぜそうなるのかを

 

考えることが大事でしょう。

 

一方で

 

「もとになる量」や「比べられる量」は

 

小学生の語彙の問題として

 

難しいのではないでしょうか。

 

大人なら

 

20%引きと言われれば

 

すぐに80%だと理解できますが、

 

それは思考力の問題というよりも

 

成熟度、経験値、語彙の問題

 

算数や数学的な思考力だけでは

 

片づけられない問題だと思います。

 

 

 

特に「比べられる量」÷「割合」で

 

「もとになる量」を出すというのは、

 

公式を覚えさせずして

 

理解させるのはかなり難しいと思います。

 

仕入れ値200円のものを

 

原価率20%で売りたいとき

 

いくらで売りますか?

 

200÷0.2=1000円

 

こんな計算ですね。

 

計算ドリルを解くだけでは

 

確かに思考力は身につかないでしょう。

 

だからといって

 

公式を覚えさせずに考えさせたら

 

思考力が身につくかというと

 

算数嫌いを増やすだけでしょう。

 

例えば中2の数学で

 

連立方程式で加減法を教える時に

 

加減法が成り立つ理由を

 

理解させようとしたら、いつまで経っても

 

加減法を使えるようにならないでしょう。

 

まず加減法で解く方法を教えるはずです。

 

というより、加減法が成り立つ理由は

 

教えないのではないでしょうか。

 

ほとんどのケースでは

 

「分かる」のあとに「できる」ですが、

 

連立方程式の加減法などのように、

 

「分かる」の前に「できる」が

 

来ることもあるわけです。

 

小学生の話題に戻しますと、

 

やはり算数だけで解決させようとせず、

 

国語で文章を読んだり、言葉を覚えたり、

 

理科や社会で知識を身につけたり、

 

そうした総合的な勉強が

 

子供たちの思考力を養うものだと思います。

 

今日は「みはじ・くもわ」論争をテーマに

 

子供の思考力を養う方法について

 

考えてみました!

 

お子様の教育に

 

何か役に立つことがあれば幸いです。